家族写真をかっこよく撮るコツ!

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家族写真をかっこよく撮るコツ!

今まで、家族写真といえばお正月や七五三などの記念日やイベントごとがあった時だけ。せっかく家族写真を撮るならかっこよく、アート作品のようなものが残したいけど、これまでカメラも構図も特に意識してこなかったから、どうしたらよいか分からない…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そんな家族写真を撮るためには、決してプロ用のカメラや照明機材は必須ではなく、少しの準備とテクニックを抑えるだけで見栄えのする写真を撮ることができます。今回は、こだわりの家族写真を撮る上で参考となるアイデアを中心にご紹介します。

撮影機材について

家族写真を撮る上では、決して高価な一眼レフカメラは必要ではありません。

近年では、ミラーレス一眼という軽量コンパクトサイズの一眼レフカメラも登場していますが、それでもレンズ自体に重量がありますし、外で撮る場合は首から下げておくか、カメラ用のバッグが必要になることも多く、カメラが好きな方でなければ次第に持ち運びが面倒になって、使わなくなってしまうこともあるでしょう。

家族写真を撮るには、スマートフォンがあれば十分。ここ数年で販売されるスマートフォンはカメラのレンズが複数付いていて、背景をぼかした写真(ポートレート撮影)や背景にもしっかりピントを合わせた撮影(風景撮影モード)などが標準装備されていることが増えています。
更に、標準でフィルター機能が搭載されていることも多く、簡単な操作でモノクロ写真や、色味・彩度を強くした写真(HDR撮影)など、カメラマンが専用の機材で行っているような写真の編集が、スマートフォン一台で手軽に行えるように進化していますから、機材に特別なこだわりがある、という方でなければ今お使いのスマートフォンをフル活用して、撮影を行っていけるでしょう。

準備するもの

撮影機材の他にも、写真のこだわりによっては準備しておきたいアイテムをいくつかご紹介します。

自宅

背景布

かっこよく、雰囲気のある写真を手軽に作る方法の1つは「背景を凹凸のない単色に統一する」ことです。

ご自宅の壁面にはデザイン性が施された凹凸のある白などの壁紙が張られるていることが多いと思いますが、それを背景にすると「壁を背にして撮った写真」になりがちで、かっこいい写真を作るのは難しくなってしまいます。

そんな時は、撮影スタジオで一般的に使われるような「背景布」を準備すると良いかも。バックスクリーンなどとも呼ばれるこのアイテムは、大きな一枚布の構造をしていて、スタンドを併用して上から吊るすとシワを作らず設置できます。この布を背景として、家族が集って写真を撮ると、それだけで雰囲気のある写真に仕上がるでしょう。

撮影をしない時は、くるくると巻いて押入れに、スタンドも収納バッグが付いてくる場合は小さく折りたたんでおけます。

 

照明・ライトスタンド

あらかじめ撮りたい写真のスタイルが決まっている場合は、他に照明やライトスタンドが必要になることも。

通常は、外から差し込む自然光や部屋の照明を活用すれば十分ですが、例えばモノクロ写真でよく見られるような、人物にあえて影を落として陰影を強く付けたインパクトのある写真。こうした写真を撮りたい、といった場合は強い光が必要になるため、撮影用の照明やライトスタンドも一緒に揃えておくと良いでしょう。

リビングに背景布やスタンド、照明を設置した場合のイメージです。ここで写っている照明はLED照明で、長時間稼働しても熱くならず、また明るさや色合いを調整できるものもあり、便利です。足元に写っている島丸く白い板は「レフ板」と呼ばれ、光を反射させるためのツールです。レフ板は角度や位置の調整が難しく手軽に扱えるものではないため、ここでは詳しくご紹介していません。

外で

スマホのフラッシュがあれば十分!

自宅など、屋内で撮影する場合と比べて、外で撮影する場合は特に準備が必要な機材はありません。というのもスマホに付いている「フラッシュ」があれば、十分魅力的な写真が撮れるからです。

夜の撮影は基本的にしないので、スマホで撮影する時は基本的に「フラッシュ発光禁止モード」で撮っているという方も多いのではないでしょうか。確かにフラッシュを使うシーンとしてよくあるのは、「夜に人物を撮影する」「暗い場所でオブジェを撮影する」といったケースだと思いますが、実は「日中に、逆光下でフラッシュを使う」ことで、魅力的な写真が撮れるのです。

逆光とは、カメラの向く方向に太陽がある状態を指し、そのまま撮影すると人物の顔が暗く写ってしまうもの。これは太陽の強い光に合わせてカメラが明るさ調整をするためで、光の当たっていない被写体の顔はいつも以上に暗くなってしまうためです。こんな時は、あえて撮影モードを「強制発光」に。正面からも光を被写体に向けて当ててあげることで明暗の差を少なくし、きれいな写真が撮れるようになるでしょう。

かっこよく撮るコツ

さて、ここからは実践編として、かっこいい家族写真を撮るための具体的なコツを学んでいきましょう。

写真の編集が肝心

写真の見た目を作り出す上で肝心なのが「撮影後に写真を編集する」ことです。

写真の編集(レタッチ)とは、主に撮影した写真の明るさやコントラスト、全体的な色味や特定の色の鮮やかさを調整するなどし、より自分がイメージした写真の見栄えに近づけていく作業をいいます。写実的な見た目から、アーティスティックな見た目に変えていくにはこうした作業はとても重要で、プロのカメラマンも行っている作業の1つです。

プロの現場では、正しい色味が再現できる専用のモニターを活用して行い時間がかかるものですが、後ほど紹介するようにスマートフォンのアプリでも、手軽に、けれどもプロ顔負けの写真編集ができるアプリも多数登場しています。

そんな写真編集ですが、いくつかある方法の中から、特にかっこいい写真を作る上で手軽に利用できて効果が高い「モノクロ」と「フィルターの活用」に絞ってご紹介します。

レタッチによる見た目の違いについての一例です。左がレタッチ前の写真、右側がレタッチ後の写真を示しています。左右を見比べると、右側のほうが明るく、また肌の色合いも生き生きとしたものに変化しているのが見て取れると思います。このように、わずかな差かもしれませんが、細かくレタッチを施していくことで、より魅力的な写真が仕上がります。

モノクロ

モノクロとは、白と黒、またはその境界色だけで表現された写真を指します。

通常の写真から色味を取り除いてよりシンプルな表現にするからこそ、題材や写っている人物の表情などの細部に目が行く魅力的な写真が仕上がります。

お使いのスマートフォンによっては、撮影モードに「モノクロ」が標準装備されている場合もありますが、iPhone、Androidどちらにも無料で使えるモノクロ変換アプリも多数ラインナップされていますので、気軽に試して、奥深いモノクロ写真に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

 

フィルター

スマートフォンで使える写真編集アプリの中には「フィルター機能」を搭載しているものがあります。

フィルターとは、アプリ側で用意された写真の見た目に一発で変換をしてくれるもので、色彩や明度などを細かく調整しなくとも、簡単に違った雰囲気の写真を作り出せる機能をいいます。

こうしたアプリはたくさん出ていますが、その中から一例としてGoogleから提供されている「Snapseed」というアプリで使えるフィルター機能の一覧をご紹介します。

Snapseedで使えるフィルター一覧

  • レンズぼかし
  • グラマーグロー
  • 階調コントラスト
  • HDR風
  • ドラマ
  • グランジ
  • 粒状フィルム
  • ヴィンテージ
  • レトロラックス
  • ノワール
  • モノクロ
  • フレーム
  • 二重露光

こうしたフィルターを活用することで、写真編集の知識がなくとも様々な仕上がりを手軽に比較できるでしょう。もちろん、本格的な編集を始めたい場合はSnapseedでも明度や彩度などを細かく調整できるようですので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

ストーリーを持たせる

かっこいい家族写真を撮る上で同じく重要なのは、写真にストーリーを持たせるということです。

カメラを意識しすぎない

カメラを意識しない構図とは、言い換えればカメラ目線ではない状態のこと。カメラを前に全員が正面を向いている状態というのは、同じく全員がその場で静止していることになりますから、何も動作がなく、ストーリーを感じる写真にはなりにくいでしょう。

そうではなく、それぞれが自由に歓談したり、好きな方向を向いていたり、お互いが向き合っていたりと、自由に動いている様子を撮影することでそこに「動き」が生まれ、その顔の向きや表情から自然とストーリーが見える写真になるはずです。

 

 

自然の光を取り入れる

写真撮影において、光の存在を意識することはとても重要です。イキイキとして健康的な表情を魅力的に切り取るには人物の顔にしっかりと光が当たるように構図や撮影場所を変えるなどといった工夫も取り入れたいところですね。

また、蛍光灯などの青白い光の下ではどうしても肌も青白く映るためあまり元気な印象にはなりにくいものです。可能な限り、天気の良い日を狙って、太陽光をしっかりと取り入れながら撮ることで、いつもの笑顔がより一層魅力的に映ることでしょう。

試しながら、楽しんで写真に親しんでいきましょう

最近のスマートフォン1つあれば、魅力的な写真を撮ることは十分可能ですが、それでもプロが普段意識しているポイントを抑えて撮ることで、狙い通りの仕上がりを着実に得ることができるでしょう。

そのためにも、まずはどんな写真が撮りたいのか、どんな撮影ならチャレンジできそうか、そしてスマートフォンでの撮影やアプリの編集など日々、少しずつ試しながら感覚を掴んで置くと、いざ本番というときに慌てず、良い写真を残すことができるでしょう。